(3923)ラクスの株価を日足チャートに基づくテクニカル視点で観測し、これまでの短期的な価格推移を分析すると共に、今後の投資戦略を検討します。
※本記事はあくまで個人的な認識を文字におこしただけのものであり、読者への助言や売買の推奨を意図するものではありません。投資判断は全て自己責任でお願いします。
結論(簡潔に)
短い上昇トレンドが終了し、短期的なダウントレンドに突入したと考えます。個人投資家の間で人気の高い銘柄ですが、今は買い圧力が全く感じられないチャートとなっています。5月13日(木)に決算発表となっています。それまでは新規の買いは控え、経過観察するべきと考えます。歴史的に見ると、RSIが30を下回ったあたりで反発することが多いようです。決算発表を受けて株価がポジティブな反応を見せるようであれば、順張りで買いポジションを立てるのが良いでしょう。
企業概要
会社名 | ラクス |
市場 | 東証1 |
企業コード | 3923 |
業種 | 情報・通信業 |
時価総額(億円) | 3,746.0 |
発行式株式数(株) | 181,216,000 |
PER(倍) | 137.0 |
信用倍率(倍) | 3.48 |
テーマ | ソフト・システム開発 業務支援 営業・販売支援 デジタルトランスフォーメーション クラウドコンピューティング 技術者派遣 人材紹介 グループウエア チャット データベース サブスクリプション SaaS レンタル 働き方改革 Society5.0 IT関連 |
概要 | 中小企業向けクラウドで開発・販売・支援。メール管理の大手。経費精算ソフトも。 |
※情報は2021年5月7日時点のものになります。
考察
上昇トレンドがひと段落し、短期的な下降トレンドに突入したと考える根拠を列挙します。
出来高をともなうディストリビューション(大口の売抜け)
2021年4月28日の出来高が2016年6月以降で最大を記録した一方で、当日のローソク足は非常に実体が小さくなっています。
ここではディストリビューションが起きていると考えられます。ディストリビューションとは大口の投資家の売り抜けを意味します。この場合は、本銘柄を買い支える力が弱まったと解釈できます。
上昇トレンドのサポートを下抜け
上記のディストリビューションと時を同じくして、2021年2月19日から200日移動平均線での反発から形成していた短期的な上昇トレンドのトレンドライン下限を明確に下抜けしました。これにより上昇トレンドは一服し、いったんの調整に入ったと考えます。
MACDが鋭くデッドクロス
4月下旬にMACDがデッドクロスしました。4月上旬にダマシがありましたが、今回は鋭く差し込むようなデッドクロスで、信頼性があります。このシグナルを受けて上記のディストリビューションが発生したと考えると筋が通ります。
利用可能なインジケーターと今後の株価推移の見通し
本銘柄で機能するインジケーターの確認します。また、それらを用いて今後の株価推移の見通しを分析します。
25日移動平均線と200日移動平均線
緑色の丸に着目すると、この銘柄においては25日移動平均線が大きな意味を持っていることが分かります。25日移動平均線は、上昇トレンドにおいてはサポート、下降トレンドにおいてはレジスタンスとして機能していることが分かります。
また赤色の丸に着目すると、200日移動平均線もまた大きな意味を持っていると考えられます。この線は株価下落時にサポートとして機能すると考えられます。5月11日に、株価は200日移動平均線にタッチしました。
5月13日に決算発表をクリアした場合、ここから反転して再度上昇トレンドに入っていく可能性が考えられます。
RSI
過去の株価推移を確認すると、RSIが30に近づく、あるいは下回ると、その後株価は短期的・長期的に反発していく傾向があることが確認できます。
5月11日時点で、RSIはちょうど30に到達しました。このことからも、本銘柄の株価はいったんの調整を近日中に終了し、上昇トレンドへと転換していくことが期待できます。
まとめ
・買い圧力が弱く、短期的に下目線。今は買うべきでない
・25DMA、200DMAおよびRSIは、近日中の調整終了と上昇トレンドへの転換を示唆
・5月13日(木)の決算発表がどのように受け止められるかがポイント