(9519)レノバの株価を日足チャートに基づくテクニカル視点で観測し、これまでの短期的な価格推移を分析すると共に、今後の投資戦略を検討します。
※本記事はあくまで個人的な認識を文字におこしただけのものであり、読者への助言や売買の推奨を意図するものではありません。投資判断は全て自己責任でお願いします。
結論(簡潔に)
短期的に下方向と考えます。個人投資家の間で大人気を博している同銘柄ですが、テクニカル的には上値が重い印象です。2021年3月以降レンジ相場となっており、ここを上下いずれかにブレイクし、トレンドが明確になった後にエントリーすることで、低リスクなトレードが実現できると考えます。
企業概要
会社名 | レノバ |
市場 | 東証1 |
企業コード | 9519 |
業種 | 電気・ガス |
時価総額(億円) | 2,702 |
発行式株式数(株) | 78,090,400 |
PER(倍) | 149.0 |
信用倍率(倍) | 1.96 |
テーマ | 独立系発電事業者 再生可能エネルギー 太陽光発電関連 メガソーラー バイオマス発電 風力発電 洋上風力発電 地熱発電 脱炭素 カーボンニュートラル 国際会計基準 エネルギー |
概要 | 再生可能エネルギー施設の開発事業。太陽光、風力、バイオマスなど発電を拡大。 |
※情報は2021年4月28日時点のものになります。
考察
2020年の米国大統領選挙におけるバイデン氏優勢の報道から、クリーンエネルギーの本命銘柄として思惑買いが進みました。2020年10月7日から出来高が急増し、同日の始値1155円から目立った調整もなく株価は上昇し続け、2021年1月13日には上場来最高値4845円を記録し、大相場を演出しました。しかしその後は売り方優位の株価推移となり、2021年3月11日に年初来安値である2925円を記録した後は、3000円近辺でのレンジ内を上下しています。
移動平均とトレンドライン
移動平均線とトレンドラインを見てみます。私は日足チャートを見るときは、短期は25日、中期は75日、長期は200日で見ています。緑色のトレンドラインがレジスタンスとなっています。4月1日と4月27日に上方向にトライしていますが、いずれもブレイクに失敗し、跳ね返されています。25-75MAがデッドクロスとなっている他、中期移動平均線に上方向へのモメンタムを押さえつけられている印象です。
フィボナッチ・リトレースメント
フィボナッチ・リトレースメントによる分析を試みます。上昇を開始した2020年10月7日を起点とし、上場来最高値を記録した2021年3月31日を終点とします。ご覧の通り、現在は23.6%と50%の間で上下するレンジ相場となっています。このレンジ内での超短期のスイングトレードはある程度有効かも知れません。2021年だけでも、38.2%のラインで5回も弾かれています。いずれも明確な陰線を形成しており、このラインは相当強いレジスタンスとなっています。
信用倍率
信用倍率を見てみます。個人投資家の間で有名な銘柄に投資する際は、必ず信用倍率を確認し、信用買い残が危険な水準まで積み上がっていないことを確認しましょう。本稿執筆時点で、信用売り残が1,466,400株に対して信用買い残は2,868,600株となっており、信用倍率は1.96倍です。この数字は至極健全な値と言えます。発行式株式78,090,400株に対する信用買い残の割合は4%未満であり、これも特に危険視する必要は無いでしょう。
浅葱のポジション戦略
2021年4月22日(木)
私はこの日にショートポジションを立てました。2021年4月以降、出来高を伴った明確な陰線が目立ち、下降トレンドに入りつつあったと考えたためです。またこの週は月曜日から3日連続で陽線を形成したこと、そしてこの日は上髭をつけたことから、反転の兆しが見えたと考えました。なお、ロスカットのラインは上記の緑色のトレンドラインとしました。
2021年4月23日(金)
この日は予想に反して出来高を伴った上昇となりました。私はここで売り増しし、平均売却価格は約3,300円となりました。
2021年4月26日(月)
この日も続伸でした。Twitterで検索をかけてみると、同じショートポジションでロスカットしている人が見受けられました。思った以上の買い圧力に戸惑いましたが、株価上昇がちょうどトレンドラインで止まり、引けにかけて上髭をつけたことから、ここから反転すると確信しました。
2021年4月27日(火)
予想通り、この数日の上昇を打ち消す下落となりました。正直とても安堵しました。予想の範囲内の動きなので、利益確定も売り増しもせず、持ち越しです。利益確定の目標価格はフィボナッチ・リトレースメントの50%のラインである3,000円としています。
2021年4月28日(水)
安心もつかの間、前場を中心に買いが優勢となり、最終的に3.13%の上昇で引けました。一時的にトレンドラインをブレイクしましたが、その後は売り優勢の展開となり、実体ベースではトレンドラインのブレイクに失敗した形となります。4月1日と同じ展開です。今後はここから反転を予想していますが、万が一このまま力強く上昇していくようならロスカットとする予定です。
まとめ
・買い圧力は強いが売り圧力がより強く、短期的に下目線
・目先の利益確定目標は3,000円
・トレンドラインを実体ベースで上にブレイクした場合は損切り